数学 第9章
実戦演習
要点編
中1数学の総合演習
まず①の図で構造を掴み、つづく②の要点本文で意味・手順・注意を読む。 ⑤の例題は、②で説明した内容だけを確認するためのものです。説明していない解法は出しません。
この章でできるようになること
- 設問の要求を把握する
- 条件を図表式に整理する
- 単元を横断して解法を選ぶ
- 途中式を残す
- 検算で誤りを見つける
- 誤答原因を分類する
小学校の橋渡し(必要なら開く)
- 計算(整数・小数・分数の四則)の総復習をしておこう
- 資料の読み取りや割合の計算を見直しておこう
- 図形の基本公式(角度・面積・体積)を確認しよう
- 文章題で数量を式に表す練習を積み重ねよう
① 図で構造を掴む
図の日本語ラベルで全体の関係を先に見てください。細部の意味・使い方は②の本文で説明します。
読む → 分類 → 立式 → 検算を、具体例で進める。
既知に線を引き、式と検算を余白に書く。
② 要点(本文)
この章の学習内容はここが本体です。例題・問題編は、ここで読んだ内容を使う練習です。
1.求めるものを最後まで読む
問題文の最初から公式を探すと、何を答えるかを取り違える。数値・式・理由・説明など、答えの形式に印をつけてから解き始める。設問が2段以上あるときは、最後の問いまで読んでから方針を決める。途中の計算結果を最終答えとして書いてしまう誤りは、問題文を最後まで読まなかったことが原因である。最後の一文を丸で囲む習慣をつける。
2.条件を一度外へ出す
文章中の数値・角度・比・単位を図や表に書き写す。頭の中だけで保持すると、条件を読み落としやすくなる。与えられた情報と求める情報を色分けしたり、問題文の重要語句に線を引いたりすると整理しやすい。単位が混在しているときは、立式の前に単位を1つにそろえる。図や表がない問題でもメモ欄に書き出す。書き出した条件に印をつける。
3.単元をまたいで解法を選ぶ
実戦演習の問題では、正負の数・文字式・方程式・比例反比例・図形・資料が組み合わされる。最初の一手になる関係を、分野名にこだわらず探す。たとえば「平均点が変わった」は資料の活用、「yがxに反比例」は関数、「おうぎ形の面積」は平面図形と判断する。1つの公式に決め打ちせず、条件を整理してから使う知識を選ぶ。
4.未知数を置く意味を考える
直接求められない量はxと置くと、条件を方程式や比例式にできる。xが何を表すか、単位を添えて書く(xkm、x円、x人など)。立式の根拠になる問題文の一文を答案に残すと、部分点を得やすい。xを置かずに式だけ書くと、何の数か分からなくなり見直しもできない。答案の最初に「x=…」と書く習慣をつける。M04の立式と同じ考え方である。
5.図には情報を重ねる
図形問題では、分かった角度・長さ・平行の印を図に直接書き込む。見た目でなく、印と根拠を頼りに考える。おうぎ形の問題では半径・中心角を図に書き、残りの図形の面積問題では切り取る部分と残る部分を色分けする。図を書かずに公式だけ当てはめると、何を求めるかがずれる。図は条件整理の道具として使う。空の図から始めてよい。
6.式変形は一行一操作
等号の両辺が同じ値であることを保ちながら、変形の理由が追えるように1行ずつ書く。かっこを含む方程式3x-(2x-5)=9なら、かっこを外してから移項する。途中を飛ばすと符号や係数の誤りに気付きにくい。四則混合の計算でも、乗除→加減の順序を一行ずつ残す。採点者も途中式を見る。一行に2操作以上書かない。
7.概算で答えを監視する
計算の前後に、おおよその大きさや符号を予想する。長さが負、割合が1を超える、平均点が極端に高いなどは誤りの警告になる。-8+3×(-2)なら、3×(-2)=-6は負、-8+(-6)はさらに負なので答えは負のはずである。概算と答えが大きくずれたら計算順序や符号を見直す。概算は検算の第一歩である。位数の確認にも使える。
8.記述は結論と根拠を結ぶ
「〜だから、〜」の形で、使った性質と結論をつなげる。代表値の使い分けでは「外れ値の影響を受けにくいから中央値」のように理由を書く。計算の答えにも、何を求めた数かを単位で示す。根拠のない結論だけでは記述問題で点がもらえない。結論と根拠が1対1で対応しているか確認する。一文で完結させ、主語を省略しない。
9.誤答を再発防止へ変える
誤答を知識・読解・計算・方針・時間のどれかに分類し、次にする確認行動を一つ決める。「うっかり」で終わらせない。同型の問題をもう1題解いて、同じミスを繰り返さないか確認する。分類ができれば、復習時間を効率的に使える。分類結果をノートに記録しておく。次回の模試までに確認行動を1つ実行する。実行したかどうかを記録する。
10.四則混合の計算確認
正負の数の四則混合では、かっこ→累乗→乗除→加減の順序を守る。-8+3×(-2)は加法と乗法が混じる典型例で、先に3×(-2)=-6を計算してから-8+(-6)=-14とする。乗除を後回しにすると符号は正しくても大きさがずれる。計算問題は符号だけでなく順序も最終確認する。chapter-01の手順を思い出す。
11.かっこを含む方程式
3x-(2x-5)=9のようにかっこの前が-の方程式では、かっこを外すとき中のすべての項の符号が反転する。3x-2x+5=9→x+5=9→x=4となる。かっこを外さずに移項すると符号ミスが起きやすい。展開→移項→係数で割る→検算の流れを一行ずつ残す。M03の手順をそのまま使える。検算でx=4を代入する。
12.反比例の応用
yがxに反比例するときxy=a(比例定数)が一定である。x=2のときy=15ならa=30、y=5のときx=30÷5=6となる。反比例ではxが大きくなるとyは小さくなる。比例と混同しないよう、積xyが一定か、商y/xが一定かを確認してから式を立てる。表の問題ではx×yを先に計算する。chapter-04の判定法を使う。
13.おうぎ形の面積の復習
半径r、中心角θ°のおうぎ形の面積はS=πr²×(θ/360)である。144°のおうぎ形なら360°の144/360=2/5の部分。円からおうぎ形を切り取った残りの面積は、円全体の面積から切り取るおうぎ形の面積を引く。中心角/360をかけ忘れない。弧の長さの問題でも同じ割合の考え方を使う。chapter-05の公式を確認する。
14.平均値の応用
平均値×人数=合計点の関係を使うと、転入・転出の問題が解ける。35人の平均64点なら合計2240点、36人の平均65点なら合計2340点、差100点が転入生の点数である。平均値だけを見て式を立てずに暗算すると、人数の変化を見落としやすい。合計を先に求めてから差をとる。chapter-07の平均値の考え方を使う。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 変化の割合 | yの増加量÷xの増加量 | — |
| おうぎ形の面積 | πr²×(中心角/360) | — |
| 立体の体積 | 角柱・円柱:底面積×高さ 角錐・円錐:底面積×高さ÷3 | — |
| 平均値 | データの合計÷個数 | — |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 設問 | 問題が求める問い |
| 条件 | 解答に使う与えられた情報 |
| 未知数 | まだ分からない量を表す文字 |
| 方針 | 解くための大まかな道筋 |
| 検算 | 答えを確かめる計算 |
| 部分点 | 途中の正しい考えに与えられる点 |
| 誤答分析 | 間違いの原因を分けること |
| 見直し | 解答の誤りを確認する作業 |
④ 解く手順
初見問題の手順
- 問いと答えの形式に印をつける
- 条件を図・表・式に写す
- 使えそうな関係を列挙する
- 方針を一つ選んで途中式を残しながら解く
- 検算し、単位と条件を見直す
誤答を復習する手順
- 正答を見る前に自力で再挑戦する
- 止まった箇所を特定する
- 原因を五分類(知識・読解・計算・方針・時間)する
- 同型の問題をもう一題解いて確認する
定期・実力テストで点にする手順
- 学校ワークを1周し、わからない問に×、あやしい問に△の印をつける
- 印の問題だけを答えを見ずに2周目する(ここが得点に直結する)
- 本アプリの⑦で条件整理・記述・複合を練習する
- ミスを知識不足/読み違い/ケアレス/時間不足に分け、対策を変える
⑤ 例題(②の確認)
各例題は②で説明したルール・手順だけを使います。解けないときは答えを見る前に、②の該当項目へ戻ってください。
-8+3×(-2) を計算しなさい。
考え方・答えを見る
まず乗法を先に計算する。次に3×(-2)=-6。だから-8+(-6)=-14。
答え:-14
3x-(2x-5)=9 を解きなさい。
考え方・答えを見る
まずかっこを外すと3x-2x+5=9、x+5=9、x=4。
答え:x=4
yはxに反比例し、x=2のときy=15である。y=5のときのxを求めなさい。
考え方・答えを見る
まずxy=a=2×15=30。次にy=5のときx=30÷5=6。
答え:x=6
半径5cm、中心角144°のおうぎ形の面積を求めなさい。
考え方・答えを見る
まずS=π×5²×(144/360)=25π×0.4=10π。
答え:10πcm²
ある学級35人の数学の平均点は64点だった。転入生1人を加えたら36人の平均点が65点になった。転入生の点数を求めなさい。
考え方・答えを見る
まず合計点は35×64=2240点から36×65=2340点に増えた。次に増えた分2340-2240=100点が転入生の点数。
答え:100点
⑥ 模試・定期テストでの使い方
この単元で点を取るための使い方です。計画の全体像は得点アップの技術も併せて確認してください。
学力向上テクニック(数学)
- 公式を暗記する前に、例題を自力で考え、詰まったら解説で「なぜその式か」を確認する。
- 途中式は1行1操作。答えのあとに符号・単位・「何を求めたか」を短時間で見直す。
- 文章題は未知数を「求めたい量」にそろえてから立式し、求めた値を元の条件に代入して検算する。
- 問題文の最後の要求(数値・式・理由)を丸で囲んでから解く。
- 単元またぎは条件を図や表に書き出してから公式を選ぶ。
全体の計画の立て方は得点アップの技術を見てから、この章の問題編へ進みましょう。
- 問題文の最後の要求(数値・式・理由)を丸で囲んでから解く。
- 単元またぎは条件を図や表に書き出してから公式を選ぶ。
- 見直しは空欄・符号・単位など短時間で防げる失点から。
- 模試・定期テストでは、問題文の最後の要求(数値・式・理由のどれか)を丸で囲んでから解き始める。
- 単元をまたぐ問題では、使えそうな公式を1つに決め打ちせず、条件を図や表に書き出してから判断する。
- 途中式は1行1操作で残し、答えの単位・形式を最後に確認する。
- 見直しは、空欄・符号・単位のように短時間で防げる失点から優先して行う。
- 公式を暗記する前に、例題を自力で考え、詰まったら解説で「なぜその式か」を確認する。
⑦ よくあるミス
- 問題文を最後まで読まずに計算を始めてしまう
- 条件を頭の中だけで処理し、図や表に書き出さない
- 単元をまたぐ問題で使う公式を最初から一つに決めてしまう
- 途中式を省略し、符号や係数の誤りに気付けない
- 答えの単位や形式(分数・小数・整数)を確認しない
- 検算をせずに次の問題へ進んでしまう
- 誤答の原因を「うっかり」で済ませ、分類しない
⑧ 理解チェック
- 求めるものに印を付けられる
- 条件を外へ書き出せる
- 単元をまたいで必要な知識を選べる
- 未知数の意味を書ける
- 図に情報を書き込める
- 途中式を残せる
- 概算できる
- 根拠を文章で書ける
- 単位を確認できる
- 誤答を分類できる
⑨ 問題編へ
「実戦演習」の②の要点が頭に入ったら、問題編で手を動かしましょう。
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