数学 第8章
資料の活用
要点編
度数分布・代表値(中1範囲)
まず①の図で構造を掴み、つづく②の要点本文で意味・手順・注意を読む。 ⑤の例題は、②で説明した内容だけを確認するためのものです。説明していない解法は出しません。
この章でできるようになること
- 度数分布表を作れる
- ヒストグラムを読み書きできる
- 相対度数・累積度数を求められる
- 平均値・中央値・最頻値を求められる
- 代表値を使い分けて説明できる
小学校の橋渡し(必要なら開く)
- 小学校で学んだ「平均」の求め方(合計÷個数)を復習しよう
- 資料を表やグラフに整理する方法を小学校の内容から復習しよう
- 割合(%)の計算をもう一度確認しよう
- 棒グラフ・折れ線グラフの読み取りを復習しよう
① 図で構造を掴む
図の日本語ラベルで全体の関係を先に見てください。細部の意味・使い方は②の本文で説明します。
読書時間の度数分布(4, 9, 12, 7, 3)を棒の高さで読む。
平均値は合計÷個数、中央値は大きさ順のまん中の値。
② 要点(本文)
この章の学習内容はここが本体です。例題・問題編は、ここで読んだ内容を使う練習です。
1.度数分布表
集めたデータをいくつかの区間(階級)に分け、各階級に入るデータの個数(度数)をまとめた表を度数分布表という。たとえば身長を140以上150未満、150以上160未満…のように区間分けする。度数の合計はデータの総数と一致する。度数分布表を作るときは、まず最大値・最小値を確認し、適切な階級の幅で区間を決める。
2.階級の幅と階級値
階級の幅は1つの区間の大きさ(上限−下限)である。階級値は区間の真ん中の値で、(下限+上限)÷2で求める。「20以上30未満」の階級値は(20+30)÷2=25である。度数分布表から平均値を求めるときは、各階級値×度数の合計を総度数で割る。階級値を下限または上限だけで代用すると平均値が大きくずれる。
3.ヒストグラム
度数分布表を柱状のグラフで表したものをヒストグラムという。横軸は階級(区間)、縦軸は度数である。柱の幅はすべての階級で同じ(階級の幅と一致)にし、柱の高さで度数を表す。柱と柱の間に隙間がないのがヒストグラムの特徴である(棒グラフとは異なる)。柱の幅をそろえないと分布の形が正しく読めない。横軸の目盛りに注意する。
4.度数分布多角形
ヒストグラムの各柱の上端の中央の点を順に線で結んだグラフを度数分布多角形(度数折れ線)という。複数の資料の分布を1つのグラフ上で比較するときに便利である。折れ線の形から、どの階級付近にデータが集中しているかを読み取れる。ヒストグラムとセットで使うことが多い。柱の上端の位置を正確にとらないと折れ線がずれる。
5.相対度数
各階級の度数を度数の合計(総度数)で割った値を相対度数という。相対度数=度数÷度数の合計であり、すべての相対度数を足すと1になる。資料の人数が異なる2つの集団を比べるとき、度数そのものより相対度数のほうが公平である。百分率に直すときは100倍する。8÷40=0.2は20%に相当する。合計が1になるか確認する。
6.累積度数
最初の階級からある階級までの度数を順に足し合わせた値を累積度数という。たとえば1番目の階級の度数が5、2番目が8なら、2番目までの累積度数は5+8=13である。累積度数は「その階級以下(または以上)にデータがいくつあるか」を表す。累積度数とその階級だけの度数を取り違えないようにする。表の下から順に足していく。
7.平均値
データすべての値の合計をデータの個数で割った値を平均値という。平均値=データの合計÷個数である。度数分布表からは、(各階級値×度数)の合計÷総度数で求める。平均値はすべてのデータを均等に分配した値のイメージだが、極端に大きい・小さい値(外れ値)の影響を強く受ける。外れ値がある資料では中央値との比較が重要になる。
8.中央値
データを小きさの順に並べたときの中央の値を中央値という。個数が奇数なら真ん中の1つ、偶数なら中央2つの平均をとる。3,5,5,7,10を並べると中央(3番目)は5が中央値である。外れ値の影響を受けにくいので、1人だけ極端な値がある資料では平均値より中央値が代表値として適している。個数の偶奇を先に確認する。
9.最頻値と資料の範囲
データの中で最も多く現れる値を最頻値という。度数分布表では度数が最も多い階級の階級値を最頻値として使うことが多い。資料の範囲は最大値−最小値で表し、データの散らばりの大きさの目安になる。3つの代表値(平均値・中央値・最頻値)は求め方も意味も異なるので、資料の特徴に合わせて使い分ける。最頻値は度数の最大を見る。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 相対度数 | 相対度数=度数÷度数の合計 | — |
| 階級値 | 階級値=(階級の下限+階級の上限)÷2 | — |
| 平均値 | 平均値=データの合計÷個数 | — |
| 範囲 | 範囲=最大値-最小値 | — |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 度数分布表 | データを階級ごとに整理した表 |
| 階級 | データを分ける区間 |
| 階級値 | 階級の中央の値 |
| 度数 | 各階級に入るデータの個数 |
| ヒストグラム | 度数分布を柱状に表したグラフ |
| 相対度数 | 度数の合計に対する各度数の割合 |
| 代表値 | 資料全体の特徴を表す値 |
| 中央値 | データを並べたときの中央の値 |
| 最頻値 | データの中で最も多く現れる値 |
④ 解く手順
度数分布表を作る手順
- 資料の最大値・最小値を確認する
- 階級の幅を決めて区間に分ける
- 各階級に入るデータの個数(度数)を数える
- 度数の合計が資料の総数と一致するか確認する
代表値を求める手順
- データを大きさの順に並べる
- 平均値(合計÷個数)を計算する
- データの個数の偶奇を確認して中央値を求める
- 度数が最も多い値(最頻値)を確認する
定期・実力テストで点にする手順
- 学校ワークを1周し、わからない問に×、あやしい問に△の印をつける
- 印の問題だけを答えを見ずに2周目する(ここが得点に直結する)
- 本アプリの⑦で条件整理・記述・複合を練習する
- ミスを知識不足/読み違い/ケアレス/時間不足に分け、対策を変える
⑤ 例題(②の確認)
各例題は②で説明したルール・手順だけを使います。解けないときは答えを見る前に、②の該当項目へ戻ってください。
度数の合計が40人で、ある階級の度数が8人のとき、相対度数を求めなさい。
考え方・答えを見る
まず8÷40=0.2。
答え:0.2
データ3, 5, 5, 7, 10 の平均値と中央値を求めなさい。
考え方・答えを見る
まず合計は3+5+5+7+10=30、30÷5=6。次に並べた中央(3番目)は5。
答え:平均値6、中央値5
データ2, 4, 4, 4, 6, 8 の最頻値を求めなさい。
考え方・答えを見る
まず4が3回で最も多く現れているので最頻値は4。
答え:4
階級「20以上30未満」の階級値を求めなさい。
考え方・答えを見る
まず階級値は下限と上限の平均。次に(20+30)÷2=25。
答え:25
あるクラスの通学時間のデータに1人だけ極端に長い記録があるとき、代表値として平均値と中央値のどちらを使うのがよいか、理由も含めて答えなさい。
考え方・答えを見る
まず平均値は極端な値の影響を大きく受けるが、中央値は並び順だけで決まるため影響が小さい。
答え:中央値。極端な値(外れ値)の影響を受けにくいため。
⑥ 模試・定期テストでの使い方
この単元で点を取るための使い方です。計画の全体像は得点アップの技術も併せて確認してください。
学力向上テクニック(数学)
- 公式を暗記する前に、例題を自力で考え、詰まったら解説で「なぜその式か」を確認する。
- 途中式は1行1操作。答えのあとに符号・単位・「何を求めたか」を短時間で見直す。
- 文章題は未知数を「求めたい量」にそろえてから立式し、求めた値を元の条件に代入して検算する。
- 相対度数の合計がおよそ1になるか確認する。
- 中央値はデータの個数の奇数/偶数を先に確認する。
全体の計画の立て方は得点アップの技術を見てから、この章の問題編へ進みましょう。
- 相対度数の合計がおよそ1になるか確認する。
- 中央値はデータの個数の奇数/偶数を先に確認する。
- 代表値の記述は「どの値が特徴を表すか」を理由つきで書く。
- 模試・定期テストでは、相対度数を計算したら合計がおよそ1になるかを確認する。
- 階級値を求める問題では、下限・上限のどちらか一方だけを使う誤りに注意する。
- 中央値はデータの個数が偶数か奇数かを先に確認してから求める。
- 代表値の記述問題では、平均値・中央値・最頻値のどれが資料の特徴に合うかを理由つきで書く。
- 公式を暗記する前に、例題を自力で考え、詰まったら解説で「なぜその式か」を確認する。
⑦ よくあるミス
- 相対度数を百分率のまま100を掛けずに使ってしまう
- 階級値を階級の下限または上限だけで代表させてしまう
- 偶数個のデータの中央値を中央の1つの値だけで答えてしまう
- 最頻値をデータの個数(度数)ではなく値の大きさで決めてしまう
- 累積度数を、その階級だけの度数と取り違える
- ヒストグラムの柱の幅(階級の幅)をそろえずにかいてしまう
⑧ 理解チェック
- 度数分布表を作れる
- 階級・階級値・度数の意味を説明できる
- ヒストグラムを読み書きできる
- 相対度数を求められる
- 累積度数を求められる
- 平均値を求められる
- 中央値を求められる
- 最頻値を求められる
- 資料に応じて代表値を使い分けられる
⑨ 問題編へ
「資料の活用」の②の要点が頭に入ったら、問題編で手を動かしましょう。
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