数学 第2章
文字式
問題編
文字を使った式の表し方と計算
① 導入
文字式は「決まった数」の代わりに x や a のような文字を使って、量の関係を一般的に表す道具です。 値段の計算、図形の周りの長さ、規則性のある数の並びなど、日常の場面を短い式にまとめられます。
この章では、文字式の書き方の決まり、同類項の計算、代入の3つを固めます。 ここでの計算ミスは、次の章「1次方程式」にそのまま影響します。
□を使った式(例:□+3=10)は、文字式の入口です。かけ算の記号を省略する約束や、分数の意味(分母で等分)を先に思い出すと、中学の文字式がつながりやすくなります。
② 基本概念
文字式の表し方の決まり
- 乗法の記号 × は省略する。 例:a × b → ab
- 数は文字の前に書く。 例:x × 3 → 3x
- 同じ文字の積は累乗で表す。 例:a × a → a²
- 除法は分数の形で表す。 例:x ÷ 3 → x/3
- 1 × a や (−1) × a は 1 を省略する。 例:−1 × a → −a
項・係数・次数
加法だけで結ばれた式のひとまとまりを項、項の中の数の部分を係数といいます。
同類項
同類項とは、文字の部分がまったく同じ項のことです。同類項は係数だけをまとめて計算できます。
分配法則で括弧を外す
括弧の前が負の数のときは、括弧の中のすべての項の符号が変わります。
代入
文字式の文字に具体的な数を当てはめることを代入といい、計算した結果を式の値といいます。
負の数を代入するときは、必ず( )をつけて代入するとミスが減ります。
単項式の乗除
単項式どうしのかけ算は係数と文字を分けて計算し、わり算は分数にしてから約分します。
③ 図解
項のしくみ
−4 x y²
│ └┬┘
係数 文字部分(次数2)
分配法則で括弧を外す
−2(x − 3y)
↓ ↓
−2×x −2×(−3y)
↓ ↓
−2x + 6y
正方形を並べた図形(規則性)
┌──┬──┬──┐ ← 1辺 x cm の正方形を n 個
│ │ │ │ すきまなく並べた長方形
└──┴──┴──┘
横の長さ:nx cm 縦の長さ:x cm
④ 例題
1個150円のりんごを x 個と、1個90円のみかんを y 個買ったときの合計金額を、文字式で表しなさい。
a × (−4) × b を、×の記号を使わずに表しなさい。
x = −3 のとき、2x² − 5x の値を求めなさい。
答えのみ:
3(2a − 1) − 2(a − 3) を計算しなさい。
−12xy² ÷ 3xy を計算しなさい。
⑤ 基本問題
まず小学校の復習を2問。
縦8cm、横5cmの長方形の面積を求めよ。
ある数に3を加えると11になる。ある数はいくつか。
(−3x) × 4 =
8a ÷ (−2) =
5x − 8 + 2x + 3 =
−(2x − 5) =
x = 4 のとき、3x − 7 の値を求めよ。
次の式のうち、同類項であるものをすべて選べ。
式:3x²、−5x、2x²、7、x、−x²
6x + 2y − 3x + 5y を計算せよ。
−4(x − 2y) を展開せよ。
⑥ 標準問題
2/3 x − 1/2 x を計算せよ。
答え:
3(x − 2y) − 2(2x − y) を計算せよ。
答え:
x = −2, y = 3 のとき、x² − 2xy + y² の値を求めよ。
答え:
−18a²b ÷ 6ab を計算せよ。
式 5x² − 3x + 7 について、項の数と x の係数をそれぞれ答えよ。
項の数:
xの係数:
⑦ 応用・実力テスト形式
十の位の数字が a、一の位の数字が b である2桁の整数がある。この数を文字式で表せ。 また、この数と、十の位と一の位を入れ替えた数との和を求め、その和がつねに11の倍数になる理由を説明せよ。
2桁の整数:
1辺の長さが x cm の正方形を、すきまなく n 個並べて1つの長方形をつくる(③の図参照)。 この長方形の周の長さを、x, n を使った式で表せ。
答え:
1個 a 円のパンを4個と、1本 b 円のジュースを2本買い、1000円札を出したときのお釣りを y 円とする。 y を a, b の式で表せ。また、a = 120, b = 150 のときの y の値を求めよ。
yをa, bで表す:
a=120, b=150のときのy:
x を整数とするとき、連続する3つの整数の和がつねに3の倍数になることを、文字式を使って説明せよ。
作問定規:⑤はドリル、⑥は例題1〜2段、⑦は定期テスト後半の複合・記述。
現在、母の年齢は子の年齢の a 倍で、子の年齢は b 歳である。
(1) 母の年齢を a, b を用いた式で表せ。
(2) a = 3, b = 12 のとき、母の年齢を求めよ。
(3) 母と子の年齢の差を a, b の式で表せ。また、a > 1 のとき、その差はつねに正の数になる。 その理由を、(3)で作った式を使って説明せよ。
縦 2a cm、横 3a cm の長方形から、隅にある縦 a cm、横 a cm の正方形を切り取ったL字形の図形がある。
┌───────┬──┐
│ │ a │ ← 切り取った正方形(a×a)
│ 2a ├──┘
│ │
└───────┘
3a
(1) この図形の周の長さを a の式で表せ。
答え:
(2) この図形の面積を a の式で表せ。
答え:
(3) a = 5 のときの、周の長さと面積をそれぞれ求めよ。
周の長さ(cm):
面積(cm²):
⑧ 確認テスト
制限時間:25分 / 満点:100点(各20点×5問)
−5x + 8 − (−3x) + (−2) を計算せよ。
x = −1/2 のとき、4x² − 6x の値を求めよ。
答え:
15xy ÷ (−5x) × 2y を計算せよ。
答え:
縦の長さが a cm、横の長さが (a + 3) cm の長方形の周の長さを、a の式で表せ。
何個かのりんごを3人で同じ数ずつ分けたところ、1人あたり a 個になり、2個余った。りんごの個数を a の式で表せ。
⑨ 完全解説
問題編の解答・解説は解説編を参照してください。
文字式は「言葉の式」をつくる練習が最も効果的です。何が分からない量(文字)で、何が分かっている数かを意識しましょう。