数学 第2章
文字式
解説編
文字を使った式の表し方と計算
① 導入
この解説編では、問題編のすべての問題について途中式を省略せず解説します。特に代入の問題は、負の数を()で囲む書き方を必ず確認してください。
② 基本概念
問題編の基本概念を参照してください。同類項の判定(文字の部分が完全に同じか)と、分配法則で括弧を外すときの符号処理が最重要です。
③ 図解
問題編の図解を参照してください。
④ 例題 解説
例1 りんごx個・みかんy個の合計金額
りんごの金額:150 × x = 150x(円)
みかんの金額:90 × y = 90y(円)
答え:150x + 90y(円)
例2 a × (−4) × b
数どうしをまとめて先に書き、×を省略する
答え:−4ab
例3 x=−3、2x²−5x
2×(−3)² − 5×(−3)
= 2×9 − (−15)
= 18 + 15 = 33
なぜ:(−3)²=9であり、−3²=−9ではない。代入するときは(−3)と括弧をつけて2乗する。
例4 3(2a−1) − 2(a−3)
= 6a − 3 − 2a + 6
= (6a−2a) + (−3+6)
答え:4a + 3
例5 −12xy² ÷ 3xy
= −12xy² / 3xy
係数:−12/3=−4、文字:xy²/xy=y
答え:−4y
⑤ 基本問題 解説
復習1 8×5=40cm²
復習2 □+3=11 → □=8
1 (−3x)×4 = −12x
2 8a÷(−2) = −4a
3 5x−8+2x+3 = 7x−5
4 −(2x−5) = −2x+5(括弧内の両方の符号が変わる)
5 x=4、3x−7 = 12−7 = 5
6 同類項の判定
x²の項:3x², 2x², −x²(これらは同類項)
xの項:−5x, x(別グループ、これも同類項)
7は定数項で単独
3x², 2x², −x² が同類項(a, c, f)
7 6x+2y−3x+5y = 3x+7y
8 −4(x−2y) = −4x+8y
⑥ 標準問題 解説
9 2/3 x − 1/2 x
通分:4/6 x − 3/6 x
答え:1/6 x
10 3(x−2y) − 2(2x−y)
= 3x−6y−4x+2y
答え:−x−4y
11 x=−2, y=3、x²−2xy+y²
x² = (−2)² = 4
2xy = 2×(−2)×3 = −12、−2xy = +12
y² = 9
4 + 12 + 9 = 25
12 −18a²b ÷ 6ab
係数:−18/6=−3、文字:a²b/ab=a
答え:−3a
13 5x²−3x+7
項は 5x², −3x, 7 の 3個
xの係数は −3
⑦ 応用・実力テスト形式 解説
14 2桁の整数と入れ替えた数の和
もとの数:10a + b
入れ替えた数:10b + a
和:(10a+b) + (10b+a) = 11a + 11b = 11(a+b)
a+bは整数なので、11(a+b)は必ず11の倍数になる
なぜ:文字式を使うと、a, bが何であっても成り立つことを一般的に説明できる。これが文字式の最大の利点。
15 正方形をn個並べた長方形の周
横の長さ:nx cm、縦の長さ:x cm
周の長さ = 2 × (横+縦) = 2(nx + x) = 2x(n+1)
答え:2x(n+1) cm
16 パンとジュースのお釣り
パン4個:4a円、ジュース2本:2b円
y = 1000 − 4a − 2b
a=120, b=150のとき:4×120=480、2×150=300
y = 1000 − 480 − 300 = 220(円)
17 連続する3整数の和が3の倍数
真ん中の整数をxとすると、3つの整数はx−1, x, x+1
和 = (x−1) + x + (x+1) = 3x
3xは3×(整数)の形なので、つねに3の倍数になる
なぜ:具体的な数で試すだけでは「いつも成り立つ」ことを保証できない。文字式で表すことで一般的な証明になる。
18 母と子の年齢
(1) 母の年齢 = 子の年齢 × a = ab(歳)
(2) a=3, b=12 のとき:ab = 3×12 = 36(歳)
(3) 年齢の差 = ab − b = b(a−1)(歳)
なぜ:bは年齢なので必ず正の数。a>1のとき a−1>0 となるので、正の数×正の数=正の数より、差 b(a−1) はつねに正になる。これは「母が子より年上である」ことを文字式で説明したものである。
19 L字形の図形の周と面積
(1) 周の長さ:もとの長方形(縦2a、横3a)の周と同じ長さになる。
2×(2a+3a) = 2×5a = 10a(cm)
(2) 面積:大きい長方形の面積 − 切り取った正方形の面積
2a×3a − a×a = 6a² − a² = 5a²(cm²)
(3) a=5のとき:周 = 10×5 = 50(cm)、面積 = 5×5² = 5×25 = 125(cm²)
なぜ:隅の正方形を切り取ると、なくなった2辺(それぞれa)の代わりに、切り込みの2辺(それぞれa)が新しくできる。移動しただけで長さの合計は変わらないので、周の長さはもとの長方形と同じになる。面積は逆に、切り取った分だけ確実に減る。
⑧ 確認テスト 解説
1 −5x+8−(−3x)+(−2)
= −5x+8+3x−2 = −2x+6
2 x=−1/2、4x²−6x
x² = 1/4、4x² = 1
−6x = −6×(−1/2) = 3
1 + 3 = 4
3 15xy ÷ (−5x) × 2y
左から順に:15xy ÷ (−5x) = −3y
−3y × 2y = −6y²
なぜ:÷と×が混在する式は、左から順に処理する。÷の後をまとめて先に計算しない。
4 縦a, 横(a+3)の長方形の周
周 = 2 × (a + a+3) = 2(2a+3) = 4a+6
5 りんごの個数
3人で分けて1人a個、2個余るので、全体は 3×a + 2 = 3a+2(個)
⑨ 完全解説
以上が第2章の全問題の解説です。文字式の証明問題(14, 17)は、答えを覚えるより「なぜ一般的に成り立つか」を自分の言葉で説明できることが目標です。
確認テストで80%以上取れたら、第3章「1次方程式」に進みましょう。