数学 第1章
正負の数
要点編
符号・四則・絶対値。中1の計算の土台
まず①の図で構造を掴み、つづく②の要点本文で意味・手順・注意を読む。 ⑤の例題は、②で説明した内容だけを確認するためのものです。説明していない解法は出しません。
この章でできるようになること
- 正の数・負の数の意味を具体的な場面で説明できる
- 数直線を使って大小を比較できる
- 絶対値の意味を理解し求められる
- 加法・減法の符号のきまりを使える
- 乗法・除法の符号のきまりを使える
- 四則混合の計算を順序通りに行える
- 文章の数量を正負の数で表せる
小学校の橋渡し(必要なら開く)
- 整数のたし算・ひき算・かけ算・わり算を筆算で確実に行えるか確認しよう
- 小数・分数の四則計算を思い出しておこう(0.1のずれや約分のミスに注意)
- 数直線に数をかいたり大小を比べたりする練習を復習しよう
- 九九をすらすら言えるか、わり算の逆算を確認しよう
① 図で構造を掴む
図の日本語ラベルで全体の関係を先に見てください。細部の意味・使い方は②の本文で説明します。
-2 と +2 は原点から同じ距離(絶対値 2)にある。
(-2)+(+5) は −2 から右へ 5 進み、答えは +3。
同じ符号どうしは+、ちがう符号どうしは−。
同符号は絶対値の和、異符号は差。減法は加法に直す。
② 要点(本文)
この章の学習内容はここが本体です。例題・問題編は、ここで読んだ内容を使う練習です。
1.正負の数で増減や方向を表す
0を基準にして、増えた・上がった・北へ進んだ量を正の数、減った・下がった・南へ進んだ量を負の数で表す。気温が-2℃なら基準0℃より2℃低い、収支で+500円なら500円の黒字というように、基準と向きがある量をひとつの数で表せる。文章題では「低い」「減る」を負、「高い」「増える」を正と対応させてから式を書く。符号を逆にすると答えの符号ごと間違うので、言葉と+・-の対応を先に決める。
2.数直線と大小関係
数直線上では右にある数ほど大きく、左にある数ほど小さい。正の数どうしなら絶対値が大きい方が大きいが、負の数どうしでは0に近い(絶対値が小さい)方が大きい。-3は-7より大きい。数直線に点を書いて比較すると、負の数の大小でよくある誤りを防げる。不等号を使うときも、数直線上の左右関係と一致しているか確認する。
3.絶対値は原点からの距離
ある数から符号を取った大きさを絶対値といい、|a|で表す。+5も-5も原点から5だけ離れているので、どちらも絶対値は5である。絶対値は常に0以上の数であり、距離なので負にはならない。|-3|=3のように、負の数の絶対値は符号を取った正の数になる。同符号の加法では絶対値の和を、異符号の加法では絶対値の差を使うので、まず絶対値を正しく求めることが計算の第一歩になる。
4.同符号の加法
符号が同じ2数の加法は、それぞれの絶対値を足し、共通の符号を結果につける。(-3)+(-4)なら絶対値3と4の和7に負の符号をつけて-7になる。(+2)+(+5)=+7も同じ考え方である。符号が同じなら「大きさを足して、同じ符号をつける」と覚える。符号を変えてしまうと、同符号の加法と異符号の加法を取り違えた答えになるので、先に2つの数の符号が同じか異なるかを確認する。
5.異符号の加法
符号が異なる2数の加法は、絶対値の大きい方から小さい方を引き、絶対値が大きい方の符号を結果につける。(-7)+(+3)なら絶対値の差4に、絶対値が大きい-7の符号をつけて-4になる。(+8)+(-3)=+5も同様である。絶対値が等しいときは0になる。(-5)+(+5)=0。符号の判定で最も多い誤りは、絶対値が大きい方の符号ではなく小さい方の符号を書いてしまうことなので、必ず絶対値を比較してから符号を決める。
6.減法は加法に直す
a-bは「aに-bを加える」と考え、引く数の符号を変えて加法に直してから計算する。5-(-2)は5+(+2)=7となり、負の数を引くと正の数を足すことに対応する。3-8=3+(-8)=-5のように、小さい数から大きい数を引くと負の答えになる。減法の規則を暗記するより、引く数の符号を反転させて加法に直す操作を毎回書くと、符号ミスを減らせる。-(-a)は+aになる点もここで確認する。
7.加減が混じった式は項をならべる
加減が混じった式では、まずすべての減法を加法に直し、正の項と負の項をそれぞれまとめてから計算する。-3-(-5)+2は-3+5+2=4のように整理できる。項ごとに符号を書き、正の項どうし・負の項どうしを分けて足すと見落としが減る。途中式を省略して頭の中だけで計算すると、二重の負号や符号の取り違えが起きやすいので、加法に直した式を一度紙に書いてから進める。
8.乗法・除法の符号のきまり
乗法・除法では、同符号どうしの積・商は正、異符号どうしの積・商は負になる。(-2)×(-3)=+6、(-2)×(+3)=-6、(+8)÷(-4)=-2である。負号が複数ある式では、負号の個数が偶数なら正、奇数なら負と判定できる。-(-3)=+3は負号が2つ(偶数)なので正になる。乗除を先に計算してから加減をする四則混合では、この符号のきまりを確実に使えるようにしておく。
9.累乗の計算
同じ数aをn個かけた値をaのn乗といい、a^nと表す。負の数の累乗では、指数が偶数なら結果は正、奇数なら負になる。(-2)³=-8、(-1)²=1である。-4²は「4²に負号をつける」ので-(4²)=-16であり、(-4)²は「-4を2回かける」ので16になる。計算する対象(何が何回かけるか)が違うため混同しない。累乗は四則混合で乗除より先に計算する。
10.四則混合の計算順序
四則が混じった式は、かっこの中→累乗→乗法・除法(左から順)→加法・減法(左から順)の順で計算する。-2×(-3)-4²なら、まず-4²=-16、次に-2×(-3)=6、最後に6+(-16)=-10となる。順序を守らないと符号だけでなく答えの大きさも変わる。計算のたびに「今どの段階か」を確認し、乗除を加減より先に済ませる習慣をつける。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 絶対値 | |a|=aが0以上ならa、aが0未満なら-a | — |
| 減法 | a-b=a+(-b) | — |
| 同符号の積・商 | (+)×(+)=+、(-)×(-)=+ | — |
| 異符号の積・商 | (+)×(-)=-、(-)×(+)=- | — |
| 累乗 | a^n=a×a×…×a(aをn個かける) | — |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 正の数 | 0より大きい数 |
| 負の数 | 0より小さい数 |
| 絶対値 | 数直線上で原点からの距離を表す大きさ |
| 数直線 | 数を大小の順に並べた直線 |
| 項 | 加法だけで結ばれた式の一つ一つの部分 |
| 同符号 | 両方が正、または両方が負であること |
| 異符号 | 一方が正、他方が負であること |
| 累乗 | 同じ数を何個かかけた値 |
④ 解く手順
加減混合の計算手順
- 減法をすべて加法に直す
- 正の項・負の項をそれぞれまとめる
- 絶対値の和または差を求める
- 符号を確認して答えを書く
四則混合の計算手順
- かっこの中を先に計算する
- 累乗を計算する
- 乗法・除法をまとめて計算する
- 最後に加法・減法をする
定期・実力テストで点にする手順
- 学校ワークを1周し、わからない問に×、あやしい問に△の印をつける
- 印の問題だけを答えを見ずに2周目する(ここが得点に直結する)
- 本アプリの⑦で条件整理・記述・複合を練習する
- ミスを知識不足/読み違い/ケアレス/時間不足に分け、対策を変える
⑤ 例題(②の確認)
各例題は②で説明したルール・手順だけを使います。解けないときは答えを見る前に、②の該当項目へ戻ってください。
-3-(-5)+2 を計算しなさい。
考え方・答えを見る
まず-3-(-5)+2=-3+5+2=4。次に減法を加法に直してから計算する。
答え:4
(-4)+(-6) を計算しなさい。
考え方・答えを見る
まず同符号の加法なので、絶対値4と6の和10に負の符号をつけて-10。
答え:-10
-2×(-3)-4² を計算しなさい。
考え方・答えを見る
まず-4²は4²=16に負号をつけて-16。次に-2×(-3)=6。だから6+(-16)=-10。
答え:-10
(-2)³×(-1)² を計算しなさい。
考え方・答えを見る
まず(-2)³=-8(奇数乗なので負)、(-1)²=1(偶数乗なので正)。次に-8×1=-8。
答え:-8
ある山の8合目の気温は-2℃だった。山頂は8合目より6℃低い。山頂の気温を求めなさい。
考え方・答えを見る
まず「6℃低い」は-6を加えることに対応する。次に-2+(-6)=-8。だから山頂の気温は-8℃。
答え:-8℃
⑥ 模試・定期テストでの使い方
この単元で点を取るための使い方です。計画の全体像は得点アップの技術も併せて確認してください。
学力向上テクニック(数学)
- 公式を暗記する前に、例題を自力で考え、詰まったら解説で「なぜその式か」を確認する。
- 途中式は1行1操作。答えのあとに符号・単位・「何を求めたか」を短時間で見直す。
- 文章題は未知数を「求めたい量」にそろえてから立式し、求めた値を元の条件に代入して検算する。
- 計算後に符号だけを指で追う見直しを固定する。
- 減法は必ず加法に直した式を一度書いてから計算する。
全体の計画の立て方は得点アップの技術を見てから、この章の問題編へ進みましょう。
- 計算後に符号だけを指で追う見直しを固定する。
- 減法は必ず加法に直した式を一度書いてから計算する。
- -a² と (-a)² の対象をかっこで確認してから計算する。
- 模試・定期テストでは、計算問題を解いたら符号だけを最後にもう一度見直す。
- 減法が出てきたら、必ず加法に直した式を一度書いてから計算する。
- 累乗は指数の対象(何が何回かけられているか)をかっこで確認する。
- 文章題では「増える・減る」「高い・低い」の言葉を+・-に対応させてから式を作る。
- 公式を暗記する前に、例題を自力で考え、詰まったら解説で「なぜその式か」を確認する。
⑦ よくあるミス
- -(-a)を-aのままにする(負号が二つで正になる)
- 異符号の加法で、絶対値が大きい方の符号を書き忘れる
- -4²と(-4)²を同じ値だと思う(計算する対象が異なる)
- 累乗の指数を「かける数」だと思い、a³をa×3としてしまう
- 四則混合で乗除より先に加減を計算してしまう
- 減法を加法に直さずに、そのまま符号だけ変えて計算する
⑧ 理解チェック
- 正の数・負の数を場面で説明できる
- 数直線に数を表せる
- 絶対値を求められる
- 同符号の加法ができる
- 異符号の加法ができる
- 減法を加法に直せる
- 乗法・除法の符号を判定できる
- 累乗を正しく計算できる
- 四則混合を順序通りに計算できる
⑨ 問題編へ
「正負の数」の②の要点が頭に入ったら、問題編で手を動かしましょう。
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