数学 第1章
正負の数
要点編
符号・四則・絶対値。中1の計算の土台
ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。
① この章のねらい
正負の数は、基準からの増減や向きをひとつの数で表す考え方である。数直線と絶対値を使って大小や距離をつかみ、加法・減法・乗法・除法それぞれの符号のきまりを身につける。四則が混ざった式では、かっこ・累乗・乗除・加減の順序を守り、符号を一つずつ確認しながら計算することが後の文字式・方程式の土台になる。
- 正の数・負の数の意味を具体的な場面で説明できる
- 数直線を使って大小を比較できる
- 絶対値の意味を理解し求められる
- 加法・減法の符号のきまりを使える
- 乗法・除法の符号のきまりを使える
- 四則混合の計算を順序通りに行える
- 文章の数量を正負の数で表せる
- 整数のたし算・ひき算・かけ算・わり算を筆算で確実に行えるか確認しよう
- 小数・分数の四則計算を思い出しておこう(0.1のずれや約分のミスに注意)
- 数直線に数をかいたり大小を比べたりする練習を復習しよう
- 九九をすらすら言えるか、わり算の逆算を確認しよう
② 重要ポイント(本文)
1.正負の数で増減や方向を表す
0を基準にして、増えた・上がった・北へ進んだ量を正の数、減った・下がった・南へ進んだ量を負の数で表す。気温や収支のように、基準と向きがある量を扱うときに役立つ。
2.数直線と大小関係
数直線上では右にある数ほど大きく、左にある数ほど小さい。負の数どうしでは、0に近い方が大きいことに注意する。
3.絶対値は原点からの距離
ある数から符号を取った大きさを絶対値という。+5と-5はどちらも絶対値が5であり、数直線上で原点から同じ距離にある。
4.同符号の加法
符号が同じ数の加法は、絶対値の和に共通の符号をつける。(-3)+(-4)なら絶対値3と4の和7に負の符号をつけて-7になる。
5.異符号の加法
符号が異なる数の加法は、絶対値の差に絶対値が大きい方の符号をつける。(-7)+(+3)なら絶対値の差4に、絶対値が大きい-7の符号をつけて-4になる。
6.減法は加法に直す
引く数の符号を変えて加える操作に直すと、加法の規則だけで減法も計算できる。5-(-2)は5+(+2)=7になる。
7.加減が混じった式は項をならべる
減法をすべて加法に直してから、正の項と負の項をそれぞれまとめると、符号の見落としを減らせる。
8.乗法・除法の符号のきまり
同符号どうしの積・商は正、異符号どうしの積・商は負になる。かっこの個数が偶数か奇数かで最終的な符号が決まる。
9.累乗の計算
a×a×…×aをaのn乗と書き、a^nと表す。負の数の累乗は、指数が偶数なら正、奇数なら負になる。-4²(=-(4²))と(-4)²(=16)は計算する対象が違うので混同しない。
10.四則混合の計算順序
かっこの中→累乗→乗法・除法→加法・減法の順で計算する。順序を守らないと、符号だけでなく答えの大きさも変わってしまう。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 絶対値 | |a|=aが0以上ならa、aが0未満なら-a | — |
| 減法 | a-b=a+(-b) | — |
| 同符号の積・商 | (+)×(+)=+、(-)×(-)=+ | — |
| 異符号の積・商 | (+)×(-)=-、(-)×(+)=- | — |
| 累乗 | a^n=a×a×…×a(aをn個かける) | — |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 正の数 | 0より大きい数 |
| 負の数 | 0より小さい数 |
| 絶対値 | 数直線上で原点からの距離を表す大きさ |
| 数直線 | 数を大小の順に並べた直線 |
| 項 | 加法だけで結ばれた式の一つ一つの部分 |
| 同符号 | 両方が正、または両方が負であること |
| 異符号 | 一方が正、他方が負であること |
| 累乗 | 同じ数を何個かかけた値 |
④ 解法・読み方の手順
加減混合の計算手順
- 減法をすべて加法に直す
- 正の項・負の項をそれぞれまとめる
- 絶対値の和または差を求める
- 符号を確認して答えを書く
四則混合の計算手順
- かっこの中を先に計算する
- 累乗を計算する
- 乗法・除法をまとめて計算する
- 最後に加法・減法をする
⑤ 図解
数直線 -3 -2 -1 0 1 2 3 │絶対値2│ │絶対値2│ -2と+2は原点から同じ距離
符号のきまり 同符号どうし → 結果は+ 異符号どうし → 結果は-
⑥ 例題(読んで流れを追う)
ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。
-3-(-5)+2 を計算しなさい。
考え方・途中式
-3-(-5)+2=-3+5+2=4。減法を加法に直してから計算する。
答え:4
(-4)+(-6) を計算しなさい。
考え方・途中式
同符号の加法なので、絶対値4と6の和10に負の符号をつけて-10。
答え:-10
-2×(-3)-4² を計算しなさい。
考え方・途中式
-4²は4²=16に負号をつけて-16。-2×(-3)=6。6+(-16)=-10。
答え:-10
(-2)³×(-1)² を計算しなさい。
考え方・途中式
(-2)³=-8(奇数乗なので負)、(-1)²=1(偶数乗なので正)。-8×1=-8。
答え:-8
ある山の8合目の気温は-2℃だった。山頂は8合目より6℃低い。山頂の気温を求めなさい。
考え方・途中式
「6℃低い」は-6を加えることに対応する。-2+(-6)=-8。山頂の気温は-8℃。
答え:-8℃
⑦ 模試・定期テストでの使い方
外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。
- 模試・定期テストでは、計算問題を解いたら符号だけを最後にもう一度見直す。
- 減法が出てきたら、必ず加法に直した式を一度書いてから計算する。
- 累乗は指数の対象(何が何回かけられているか)をかっこで確認する。
- 文章題では「増える・減る」「高い・低い」の言葉を+・-に対応させてから式を作る。
- 正負の数の計算速度は数学の手鏡 or ちびむすで毎日10問。
- ⑤=ちびむす/手鏡相当 ⑥=005net例題相当 ⑦=中1定期後半相当(本アプリ)
- ⑦は中1定期テスト後半相当:条件整理・複合計算・記述を必須にする
- 作問時はちびむす/手鏡(⑤)・005net例題(⑥)の密度を定規に合わせる
⑧ よくあるミス
- -(-a)を-aのままにする(負号が二つで正になる)
- 異符号の加法で、絶対値が大きい方の符号を書き忘れる
- -4²と(-4)²を同じ値だと思う(計算する対象が異なる)
- 累乗の指数を「かける数」だと思い、a³をa×3としてしまう
- 四則混合で乗除より先に加減を計算してしまう
- 減法を加法に直さずに、そのまま符号だけ変えて計算する
⑨ 理解チェック
口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。
- 正の数・負の数を場面で説明できる
- 数直線に数を表せる
- 絶対値を求められる
- 同符号の加法ができる
- 異符号の加法ができる
- 減法を加法に直せる
- 乗法・除法の符号を判定できる
- 累乗を正しく計算できる
- 四則混合を順序通りに計算できる