数学 第1章
正負の数
解説編
符号・四則・絶対値。中1の計算の土台
① 導入
この解説編では、問題編のすべての問題について途中式を省略せず解説します。答えを確認するだけでなく、なぜその符号になるのかを説明できるようにしましょう。
② 基本概念
問題編の基本概念を参照してください。特に「符号を変えて加法にする」「累乗の符号(−2²と(−2)²の違い)」「計算の順序」の3点は、この先すべての単元で使います。
③ 図解
問題編の図解を参照してください。数直線のイメージを持てると、加減の符号ミスが減ります。
④ 例題 解説
例1 (−8) + (+5)
異符号の加法なので、絶対値の差 8−5=3 に、絶対値の大きい方(−8)の符号をつける。
答え:−3
例2 (−4) − (−9)
減法を加法に直す:−(−9) = +9
(−4) + (+9) = 5
答え:5
例3 (−3) × (−7)
同符号どうしの積は正。3×7=21
答え:21
例4 (−36) ÷ 4
異符号どうしの商は負。36÷4=9
答え:−9
例5 −3² + (−2)³ ÷ 4
−3² は「3²に負をつける」ので −9((−3)²=9 とは異なる)
(−2)³ = −8、−8 ÷ 4 = −2
−9 + (−2) = −11
なぜ:累乗は乗除より先に計算する。−3² の「−」は累乗の対象に含まれない。
⑤ 基本問題 解説
復習1 24+37−15
24+37=61、61−15=46
復習2 6×7−8÷2
6×7=42、8÷2=4、42−4=38
1 (−9) + (−6) = −15
同符号の加法。9+6=15に負の符号。
2 (+12) − (+20) = 12 + (−20) = −8
3 (−5) × 8 = −40
異符号の積は負。
4 (−42) ÷ (−6) = 7
同符号の商は正。
5 |−7| + |3| = 7 + 3 = 10
6 −5=−5、−(−2)=2、−|−8|=−8、0
4つを比べると −8 < −5 < 0 < 2。最も小さいのは −|−8|(c)。
7 −2³ = −(2³) = −8(b)
8 (−1)²⁰²⁴:偶数乗なので 1(a)
−1の偶数乗は1、奇数乗は−1。
⑥ 標準問題 解説
9 −6 − (−4) + (−9) − (+2)
= −6 + 4 − 9 − 2
= (−6 − 9 − 2) + 4 = −17 + 4
答え:−13
10 (−3)² × (−2) − 12 ÷ (−4)
(−3)² = 9、9 × (−2) = −18
12 ÷ (−4) = −3
−18 − (−3) = −18 + 3 = −15
11 −{5 − (−2)²} × 3
(−2)² = 4
5 − 4 = 1
−{1} × 3 = −3
12 a = −4、−a² + 3a
a² = (−4)² = 16、−a² = −16
3a = 3 × (−4) = −12
−16 + (−12) = −28
なぜ:−a² は −(a²) であり、(−a)² ではない。先にaを2乗してから負の符号をつける。
13 −1.5, 2/3, −2, 0.8 を小さい順に
2/3 ≒ 0.67 として比べると、−2 < −1.5 < 0.67 < 0.8
答え:−2, −1.5, 2/3, 0.8
⑦ 応用・実力テスト形式 解説
14 基準20℃との差の平均
差の合計:+3−2+5−4+1 = 3
差の平均:3 ÷ 5 = 0.6
気温の平均:20 + 0.6 = 20.6℃
なぜ:基準との差だけを平均し、最後に基準を足すと計算が簡単になる。これは正負の数の代表的な応用問題。
15 A(−3)、B(+8)の距離と中点
距離:8 − (−3) = 11
中点:(−3 + 8) ÷ 2 = 5 ÷ 2 = 2.5
16 −4, 3, −7, 5 から2つ選んで積
(−4)(3)=−12、(−4)(−7)=28、(−4)(5)=−20
(3)(−7)=−21、(3)(5)=15、(−7)(5)=−35
最大:28(−4×−7) 最小:−35(−7×5)
なぜ:最大の積は「負×負」の組の中で絶対値が最大のもの、最小は「正×負」の組の中で絶対値が最大のものになりやすい。
17 連続する3整数の和が−36
真ん中をnとすると、3つの数は n−1, n, n+1
和は (n−1)+n+(n+1) = 3n = −36
n = −12(真ん中)
最も小さい整数:n−1 = −13
検算:−13+(−12)+(−11) = −36 ✓
18 エレベーターの3回の移動
2回目:(−3)³ = −27 なので、−(−27) = +27(m)
3回目:|−8| = 8、8×2 = 16 なので、−16 = −16(m)
合計:15 + 27 + (−16) = 26(m)
なぜ:−(−3)³ は「(−3)³ を先に計算してから、全体に負の符号をつける」。累乗→絶対値→加減の順で処理すれば、複数回の移動もミスなく合計できる。
19 ゲームの得点
正解x問で+6x点、不正解(10−x)問で−4(10−x)点
最終得点 = 6x − 4(10−x) = 6x − 40 + 4x = 10x − 40
(2) 10x−40=40 → 10x=80 → x=8
(3) 10x−40≥0 → 10x≥40 → x≥4。xは整数なので、最低4問必要。
なぜ:不等式10x−40≥0は、方程式10x−40=0と同じ操作(両辺に40を足して10で割る)で解ける。ただし両辺を負の数で割るときだけ不等号の向きが変わることに注意(この問題では10で割るので向きは変わらない)。検算:x=4のとき10×4−40=0で確かに0点以上の境目になる。
⑧ 確認テスト 解説
1 −8 + (−5) − (−10)
= −8 − 5 + 10 = −3
2 (−2)³ × (−3) − 18 ÷ (−3)²
(−2)³ = −8、−8 × (−3) = 24
(−3)² = 9、18 ÷ 9 = 2
24 − 2 = 22
3 −5 − {3 − (−2)×4}
(−2)×4 = −8
3 − (−8) = 11
−5 − 11 = −16
4 気温の変化
−3 + 8 − 5 = 0℃
5 x + (−7) = 5 × (−3)
右辺:5 × (−3) = −15
x − 7 = −15
x = −15 + 7 = −8
⑨ 完全解説
以上が第1章の全問題の解説です。間違えた問題は、答えを覚えるのではなく、符号が変わる箇所をもう一度自分の手で書き直してください。
確認テストで80%以上取れたら、第2章「文字式」に進みましょう。