数学 第1章
正負の数
問題編
符号・四則・絶対値。中1の計算の土台
① 導入
中学数学の最初の関門は「負の数」です。小学校では0以上の数しか使いませんでしたが、 中学からは0より小さい数(負の数)を使って、気温・収支・高低差など「基準より少ない」量も表せるようになります。
この章の計算力は、この後に学ぶ文字式・方程式・関数のすべてで使う土台です。 符号のミスは中学3年間ずっと足を引っ張るので、ここで確実に固めましょう。
負の数の前に、整数のたし算・ひき算・かけ算・わり算が不安なら、先にそこをやり直してください。 数直線で「基準(0)からの距離と向き」をイメージできると、符号の意味がつかみやすくなります。
⑤は基礎を厚く、⑦は実力テスト形式です。 「わからない」は普通です。短い問題から順に積み上げましょう。
② 基本概念
正の数・負の数・0
0より大きい数を正の数、0より小さい数を負の数といいます。0はどちらでもありません。
絶対値
数直線上で、ある数に対応する点と原点(0)との距離を、その数の絶対値といいます。
絶対値は必ず0以上の数になります。符号を外して考えると分かりやすいです。
加法(たし算)
- 同符号の加法:絶対値の和に、共通の符号をつける。
- 異符号の加法:絶対値の差(大きい方から小さい方を引く)に、絶対値の大きい方の符号をつける。
減法(ひき算)
減法は「符号を変えて加法にする」のが原則です。
例:(−3) − (+5) = (−3) + (−5) = −8
乗法・除法(かけ算・わり算)
- 同符号どうしの積・商は正になる。
- 異符号どうしの積・商は負になる。
累乗と符号の注意
−2³ と (−2)³ は違うという点が最重要の注意点です。 −2³ は「2³ に負の符号をつける」ので −8。(−2)³ は「−2 を3回かける」ので同じく −8ですが、 偶数乗のときは結果が変わります。−2² = −4(2²=4に負をつける)に対して(−2)² = 4です。
四則が混じった式の順序
- かっこの中を先に計算する
- 累乗を計算する
- 乗法・除法を計算する
- 加法・減法を計算する
③ 図解
数直線と絶対値
−5 −4 −3 −2 −1 0 1 2 3 4 5
←───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───→
│ │
−3 +3
|−3| = 3(原点からの距離) |+3| = 3
加法のイメージ(数直線上の移動)
(−2) + (+5) は「−2から右へ5進む」
−2 ─────────────→ +3
↑ ↑
出発点 到着点(答え)
符号のかけ算・わり算まとめ表
同符号 × 同符号 → +
異符号 × 異符号 → −
(わり算も同じ規則)
④ 例題
次の計算をしなさい。
(−8) + (+5)
次の計算をしなさい。
(−4) − (−9)
次の計算をしなさい。
(−3) × (−7)
次の計算をしなさい。
(−36) ÷ 4
次の計算をしなさい。(累乗の符号に注意)
−3² + (−2)³ ÷ 4
答えのみ:
⑤ 基本問題
まず小学校の復習を2問。負の数を使わない、ふつうの計算です。
24 + 37 − 15 を計算せよ。
6 × 7 − 8 ÷ 2 を計算せよ。(かけ算・わり算を先にする)
(−9) + (−6) =
(+12) − (+20) =
(−5) × 8 =
(−42) ÷ (−6) =
|−7| + |3| =
次のうち、最も小さい数を選べ。
−2³ の値を選べ。
(−1)²⁰²⁴ の値を選べ。
⑥ 標準問題
次の計算をしなさい。
−6 − (−4) + (−9) − (+2)
答えのみ:
次の計算をしなさい。
(−3)² × (−2) − 12 ÷ (−4)
答えのみ:
次の計算をしなさい。
−{5 − (−2)²} × 3
答えのみ:
a = −4 のとき、−a² + 3a の値を求めよ。
答えのみ:
次の4つの数を小さい順に並べよ。
−1.5, 2/3, −2, 0.8
⑦ 応用・実力テスト形式
ある週の月〜金の気温を、20℃を基準として、それぞれ次のように記録した。 月:+3℃、火:−2℃、水:+5℃、木:−4℃、金:+1℃。 この5日間の気温の平均を求めよ。
答え(℃):
数直線上に、点A(−3)、点B(+8)がある。AB間の距離、およびA・Bの中点に対応する数を求めよ。
(1) AB間の距離:
(2) 中点に対応する数:
−4, 3, −7, 5 の4つの数から異なる2つを選んで積をつくる。最も大きい積と最も小さい積を、それぞれ求めよ。
最も大きい積:
最も小さい積:
連続する3つの整数の和が −36 になるとき、真ん中の整数と最も小さい整数を求めよ。
真ん中の整数:
最も小さい整数:
作問定規:⑤はドリル、⑥は例題1〜2段、⑦は定期テスト後半の複合・記述。
あるエレベーターは地上0mの位置を基準とし、上昇を+、下降を−として、次の3回の移動をした。
1回目:+15m 2回目:−(−3)³ m 3回目:−|−8|×2 m
(1) 2回目の移動を、符号をつけたm数で表せ。
(2) 3回目の移動を、符号をつけたm数で表せ。
(3) 3回の移動をすべて終えたとき、エレベーターは基準の位置から何mの高さにいるか求めよ。
答え(m):
あるゲームでは、得点は0点から始まり、1問正解するごとに+6点、1問不正解するごとに−4点が入る。 ある人がちょうど10問に挑戦し、正解した数を x 問とする(不正解の数は 10−x 問である)。
(1) この人の最終得点を、x を使った式で表せ。
(2) 最終得点が40点になったとき、正解した数 x を求めよ。
(3) 最終得点が0点以上になるには、正解した数 x は最低何問必要か。(1)の式を使って求め、 なぜそう言えるかを説明せよ。
最低何問(答えのみ):
⑧ 確認テスト
制限時間:20分 / 満点:100点(各20点×5問)
−8 + (−5) − (−10) を計算しなさい。
(−2)³ × (−3) − 18 ÷ (−3)² を計算しなさい。
答え:
−5 − {3 − (−2)×4} を計算しなさい。
答え:
ある朝の気温は −3℃ だった。昼にかけて8℃上がり、夜にかけて5℃下がった。夜の気温を求めよ。
ある数 x に −7 を加えると、5 に −3 を掛けた数と等しくなった。x を求めよ。
答え:
⑨ 完全解説
問題編の解答・解説は解説編を参照してください。
符号のミスは「見直しで気づける」ミスです。答えが出たら、必ず符号だけをもう一度確認しましょう。