国語 第6章
作文
要点編
意見文の型・採点観点・推敲
ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。
① この章のねらい
作文は、思いついたことを並べるのでなく、主張を理由と具体例で支える文章である。書く前に設問の条件と段落構成を決めると、内容の抜けを防げる。事実と意見を分け、接続語で論理の流れを示す。推敲では内容・構成・表記の順に確認する。
- 設問条件を整理できる
- 主張を一文で決められる
- 理由を挙げられる
- 具体例を用意できる
- 段落構成を作れる
- 事実と意見を分けられる
- 推敲できる
- 一文ごとに「誰が」「どうした」がはっきりしているかを確認する、主語・述語の基本から始める
- 段落は、内容が変わるところで行を変える、というだけの基本であることを確認する
② 重要ポイント(本文)
1.設問の条件を書き出す
テーマ、立場、字数、形式、必ず入れる内容を下書きに並べる。書き始めてから条件を探すと、字数が足りなくなって内容が抜ける。条件ごとにチェック欄を作り、清書後も確認する。
2.主張を最初に決める
主張は「私は〜と考える」の形で一文にする。立場が曖昧だと、理由や例がばらばらになる。反対意見を扱う場合でも、自分の結論を読み手に先に示す。
3.理由はなぜに答える
理由は主張を言い換えるのでなく、「なぜそう考えるのか」を説明する。「読書は大切だ」には、「視野を広げられるからだ」のような根拠を続ける。異なる理由を二つ用意すると内容に厚みが出る。
4.具体例で理由を見せる
具体例には、自分の経験、身近な出来事、観察した事実を使える。「委員会活動で役割を任され、自分から動く姿勢が身についた」のように、出来事と考えの変化を書く。例が主張とどう結び付くかを一文で示す。
5.序論は話題と立場を示す
序論では、何について書くかと自分の考えを読み手に知らせる。長い説明から始めず、本文の方向を決める一、二文にする。問いをそのまま写すだけで終えない。
6.本論は一段落一内容
本論では、一つの段落に一つの理由と具体例を置く。別の理由に移るときは段落を変え、「また」などでつなぐ。理由と関係のない思い出を増やさない。
7.結論は主張を深めて戻す
結論では、序論の主張をただ繰り返すのでなく、理由を踏まえた言い直しをする。「だから私は〜すべきだと考える」のように、文章全体を閉じる。新しい理由を最後に出さない。
8.事実と意見を区別する
「図書館は午後六時に閉まる」は確認できる事実である。「もっと遅くまで開けるべきだ」は意見である。事実を根拠にし、意見には「考える」「〜べきだ」など判断の表現を付ける。
9.接続語で関係を示す
理由を加えるときは「なぜなら」「また」、逆の面を示すときは「しかし」を使う。「だから」は前の内容から結論を導く語である。接続語を多用せず、前後の関係に合うものだけを選ぶ。
10.読み手に伝わる具体性を出す
自分だけが知る人物や出来事には、必要な説明を付ける。「あの日は楽しかった」ではなく、何をして何を感じたかを書く。抽象語を、行動・数・場面で具体化する。
11.字数は内容で調整する
字数が不足するときは、理由の説明や具体例の結果を足す。多すぎるときは、同じ意味の繰り返しや飾りの言葉を削る。字数合わせだけの文を追加すると、文章の説得力が下がる。
12.推敲は順番に行う
最初に主張と理由が対応するかを確認する。次に段落の順序と接続語を見て、最後に誤字、主述、句読点を直す。一度に全部を直そうとせず、観点を分けると見落としが減る。
13.反対意見を扱って主張を強める
意見文では、自分と異なる考えを一度取り上げると、主張の条件を明確にできる。「確かに慣れるまで時間がかかる。しかし続ければ全員が身につけられる」のように、反対側の点を認めてから自分の立場を述べる。相手の意見を悪く言うだけでは説得力は上がらない。多くの意見文の課題では、一方的な断定より条件付きの主張のほうが評価されやすい。
14.段落の冒頭に中心文を置く
段落の最初に、その段落で言いたいことを一文で置くと読み手が迷わない。その後に理由、事実、具体例を並べれば、段落内の順序が自然になる。中心文が最後だけにあると、何を説明している段落か分かりにくい。書き終えた後、各段落の最初の一文だけを読んで筋が通るか試す。
15.設問の条件を表にする
字数、段落数、必ず触れる材料、一人称などの条件を表に書き出してから書き始める。条件を後回しにすると、推敲で大幅に直すことになる。「自分の体験を入れる」とあれば、一般論だけで終わらせない。
16.反論を想定して説得力を上げる
意見文では、反対意見を一言紹介し、それに答えると説得力が増す。「〜という考えもあるが、私は〜」の形は使いやすい。ただし反論の紹介が長くなり過ぎると、自分の主張が薄れる。字数が限られるときは、反論は一文、応答は二文程度に抑える。
17.具体例は「場面」まで書く
「協力した」だけでは具体例として弱い。いつ、どこで、誰と、何をし、結果どうなったかを書く。ただしプライバシーに配慮し、実在の個人を傷つける書き方は避ける。
18.読み手を意識した語づかい
友だち口調のままでは、意見文として幼く見えることがある。かといって難しい漢語を並べ過ぎると不自然になる。中学生として正確で丁寧な語を選ぶ。推敲では、声に出して読み、引っかかる箇所を短い文に分ける。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 意見文 | 主張 → 理由①・例 → 理由②・例 → 結論 | 一段落一内容。 |
| 理由づけ | 私は〜と考える。なぜなら〜からだ。 | 主張の言い換えにしない。 |
| 推敲 | 内容 → 構成 → 表記 | 字数は最後に確認。 |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 主張 | 書き手が伝えたい考え |
| 理由 | 主張を支える根拠 |
| 具体例 | 理由を示す事例 |
| 序論 | 話題と主張を示す部分 |
| 本論 | 理由や例を展開する部分 |
| 結論 | 全体をまとめる部分 |
| 段落 | 一つの中心内容のまとまり |
| 推敲 | 文章を見直し直すこと |
④ 解法・読み方の手順
構成メモ
- 条件を箇条書きにする
- 主張を決める
- 理由と例を対応させる
- 段落の役割を書く
推敲
- 内容を確認する
- 構成を確認する
- 表記を確認する
章末の定着確認
- この章の重要語を三つ声に出す。
- 例題のうち一題を、答えを見ずに根拠から再現する。
- 誤答しやすいポイントを一つノートに残す。
⑤ 図解
序論:主張 → 本論:理由+例 → 結論:まとめ
事実(出来事)→ 解釈(考え)→ 主張(結論)
⑥ 例題(読んで流れを追う)
ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。
「掃除当番」について主張を一文で書きなさい。
考え方・途中式
テーマと立場を明確にする。理由を詰め込まず、主張だけを一文にする。
答え:私は、掃除当番を毎週交代する方式にすべきだと考える。
掃除当番の交代制を勧める理由を一つ書きなさい。
考え方・途中式
「なぜ」に答える内容を書く。「交代制はよい」だけでは主張の繰り返しである。
答え:担当場所が変わることで、教室全体をきれいに保つ意識が全員に生まれるからだ。
朝練習で先輩から助言を受けた経験を具体例にしなさい。
考え方・途中式
出来事の後に、自分の行動や考えがどう変わったかを書く。これで理由を支える具体例になる。
答え:私は大会前の朝練習で先輩からサーブのコツを教わり、自分の練習にも生かすことができた。
A結論、B理由、C主張の順に並べなさい。A 結論として参加したい。B 役割を任されると責任感が育つ。C 委員会活動には参加する意義がある。
考え方・途中式
Cが序論の主張、Bが本論の理由、Aが結論である。文頭の「結論として」も手がかりになる。
答え:C → B → A
部活動の朝練習について書きなさい。
考え方・途中式
主張、利点、問題点、解決策の順で構成する。逆接の後に具体的な提案を置き、結論を明確にする。
答え:私は、部活動の朝練習に参加することに意義があると考える。決まった時間に体を動かす習慣がつくからだ。しかし、無理な時間設定は生活に負担をかける。そこで、各部が無理のない範囲で朝練習を続けられる仕組みを整えるべきだ。
⑦ 模試・定期テストでの使い方
外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。
- 書く前に条件を確認する
- 主張を先に書く
- 理由に具体例を付ける
- 一段落一内容にする
- 字数を最後に数える
- 設問の問い方(なぜ/どういうこと/効果)を先に確定してから本文へ戻る。
- 本アプリ作文の型→推敲。字数感覚は005net記述で補強。
- ⑤=用語・漢字 ⑥=005net読解 ⑦=記述付き読解(本アプリ)
- ⑦は40〜60字記述を少なくとも1問含める
- 作問定規:005net古典・読解/ちびむす漢字
⑧ よくあるミス
- 主張が不明確
- 理由が言い換えだけ
- 経験の羅列
- 段落が長すぎる
- 事実と意見の混同
- 接続語の乱用
- 字数合わせの文
- 推敲不足
⑨ 理解チェック
口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。
- テーマに答えた
- 立場が明確
- 理由がある
- 具体例がある
- 段落を分けた
- 接続語が適切
- 事実と意見を分けた
- 結論がある
- 字数を守った
- 誤字を確認した
- 追加ポイントの内容を自分の言葉で説明できる