国語 第3章
古文入門
解説編
中1レベルの古文・古典常識
① 導入
この解説編は、古文の細かい文法用語を暗記させるものではありません。歴史的仮名遣いの変換ルールと、古文常識(月・時刻の異名)を、確実に思い出せるようにすることが目標です。
② 基本概念
歴史的仮名遣いは「語の中・語尾のは・ひ・ふ・へ・ほ→わ・い・う・え・お」が最重要ルールです。「いと」「をかし」「あはれ」の3語は、古文で最初に覚える基本語として繰り返し出てきます。
③ 図解
問題編の図解(歴史的仮名遣いの変換表)を、単語ごとに当てはめて練習しましょう。
④ 例題 解説
例1 「けふ」
語中の「ふ」は「う」に変わる。「け」はそのまま。
答え:きょう(「けう」がさらに音の変化で「きょう」となる)
例2 「いとをかし」
「いと」=とても、「をかし」=趣がある。合わせて「とても趣がある」となる。
答え:b
例3 例文の様子
「よき日」「雲一つなくて」「いとをかし」から、晴れた空を見て心地よさを感じている様子が分かる。答え:a
⑤ 基本問題 解説
- 【小学校の復習】花が。「何が」に当たる部分が主語である。
- 【小学校の復習】飛んだ。「どうした」に当たる部分が述語である。
- おもう(語中の「ふ」→「う」)
- いう(語中の「ふ」→「う」)
- うつくしゅうて(「しう」の部分が「しゅう」に変化する)
- こえ(「ゑ」→「え」)
- おとこ(語頭の「を」→「お」)
⑥ 標準問題 解説
8 弥生。三月の異名。
9 十二月。「師走」は年の暮れを表す異名。
10 d。時刻は「子・丑・寅…」の十二支で表す。「月」はこの呼び方に使われない。
11 b。子の刻は真夜中(午前0時ごろ)を表す。
⑦ 応用・実力テスト形式 解説
12 係助詞
答え:こそ
13 係り結びの仕組み
【模範解答例】「『こそ』という係助詞があるため、文の終わりが、ふつうの言い切りの形とは違う『美しかりけれ』という形になっている。」
中1のこの段階では、結びの活用形の名称(已然形など)まで覚える必要はない。「係助詞があると結びの形が変わる」という関係が説明できていればよい。
14 「ぞ」の働き
「ぞ」は意味を強める働きの係助詞である。答え:a
15 現代語訳
【模範解答例】「庭に出て見ると、花が美しい。鳥も木の枝で鳴いていて、とてもゆったりとした様子である。」(約55字)
「こそ」「ぞ」の強調のニュアンスは、「本当に」「まさに」のような語で軽く補ってもよい。
16 係り結びと現代語の違い
(1) 歴史的仮名遣いの「で」は現代仮名遣いでもそのまま「で」。「出でて」は出てに直す。
(2) 「こそ」も「ぞ」も、直前の語(花・鳥が鳴くこと)の意味を強調し、それにあわせて文末(結び)の活用形を ふつうの言い切りの形とは違う特別な形に変える、という働きを持つ。
答え:どちらも直前の内容を強調し、それにあわせて文末(結び)の形を特別な形に変える働きを持つ。
(3) 現代語では「こそ」「ぞ」を使っても文末はふつうの言い切りの形のまま変化しない(例:「花こそ美しい」)。 古文では、係助詞に応じて文末の活用形が変化するという「結びの法則」があり、これが現代語との大きな違いである。
答え:古文では係助詞に応じて文末の活用形が変化するが、現代語では係助詞があっても文末の形は変化しない。
17 例文Cの読解
(1) 「いと」=とても。答え:とても
(2) 語中の「ふ」は「う」に変わる。答え:物思う
(3) 「冬の夜、雪がとても白いので、心もとても趣深く感じられる。このような時こそ、静かに物思いにふけるのがよい。」 (約55字)
「こそ」は係助詞で強調の働きを持つが、この段階では意味が伝わる訳が書けていれば十分である。
⑧ 確認テスト解説
- きょう
- a(しみじみと心に感じる)
- 睦月
- c(こそ)
- とても
⑨ 完全解説
この章の目標は、細かい文法用語の暗記ではなく、歴史的仮名遣いを読めること、基本語(いと・をかし・あはれ)の意味が分かること、月や時刻の古い呼び方を知っていることです。次の章では、現代文の文法(品詞)を学びます。