問題編

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理科 第4章

大地の変化

問題編

火山・地震・地層(中1地学)

問題編 — 手を動かして記録を残す。まだ不安なら先に要点編で復習。

① 導入

この章では、火山とマグマ、火成岩、地震、地層、化石を学びます。地下でおきた出来事を、 観察できる岩石や記録された数値(到着時刻・粒の大きさ)から読み取る力をつけましょう。

この教材の設計方針

1回の演習で全部できるようになる必要はありません。わからないところは繰り返しましょう。 用語の暗記だけでなく、地震の記録や柱状図から根拠をもって推定する力を、少しずつ目指していきましょう。

小学校の橋渡し

小学校の理科では、気づいたことをそのまま記録することや、表の縦と横が何を表しているかを確認する読み方を習いました。 忘れていても大丈夫です。この章でも、まず「観察でわかった事実」と「表の数字が表すもの」を確認してから考えると、迷いにくくなります。

② 基本概念

火山とマグマ

地下の岩石がとけた高温の物質をマグマという。マグマが地表に噴き出す現象を噴火という。 火山の形や噴火のようすは、マグマの粘り気によって変わる。

  • 粘り気が強いマグマ:爆発的な噴火になりやすく、盛り上がった(ドーム状の)火山になりやすい。
  • 粘り気が弱いマグマ:溶岩が流れやすく、傾斜がなだらかな火山になりやすい。

噴火のときに火口から出るものを火山噴出物といい、溶岩、火山灰、火山れき、火山ガスなどがある。

火成岩

マグマが冷えて固まった岩石を火成岩という。冷え方によって、でき方とつくりが変わる。

  • 火山岩:マグマが地表や地表近くで急に冷えて固まった岩石。大きな結晶(斑晶)と、とても小さな粒(石基)からなる斑状組織をもつ。例:玄武岩、安山岩、流紋岩。
  • 深成岩:マグマが地下深くでゆっくり冷えて固まった岩石。大きな結晶がすきまなく組み合った等粒状組織をもつ。例:はんれい岩、閃緑岩、花こう岩。

岩石をつくる粒を鉱物という。無色や白色の鉱物(セキエイ、チョウ石)を無色鉱物、 黒や緑などの色がついた鉱物(クロウンモ、カクセン石、キ石など)を有色鉱物という。

地震

地下の岩盤が急にずれて地震が起こる。地下で最初に岩盤の破壊が始まった点を震源、 震源の真上の地表の地点を震央という。

地震のゆれは2種類の波によって伝わる。速く伝わる波をP波、遅く伝わる波をS波という。 P波による小さなゆれを初期微動、S波による大きなゆれを主要動という。

初期微動継続時間 = S波が届いた時刻 − P波が届いた時刻

震源から遠い地点ほど、P波とS波の到着時刻の差(初期微動継続時間)が長くなる。

地層のでき方と新旧

川や海に運ばれた土砂は、粒の大きいものから先に(下に)積もり、層になって堆積する。 地層が大きく乱れていない場合、下にある地層ほど古い

地層が押されて曲がるしゅう曲や、地層が切れてずれる断層は、地層ができた後に起こる。 断層が地層を切っていれば、断層は地層より新しいと判断できる。

化石

  • 示準化石:地層が堆積した年代を知る手がかりになる化石。広い範囲に、限られた期間だけ栄えた生物の化石が適する(例:三葉虫、アンモナイト)。
  • 示相化石:地層が堆積した当時の環境を知る手がかりになる化石。決まった環境でしか生きられない生物の化石が適する(例:サンゴ→暖かく浅い海)。

③ 図解

火山の形とマグマの粘り気

粘り気が強い        粘り気が弱い
     ▲                    __▲__
    ▲▲▲ (盛り上がった形)/     \(なだらかな形)
   爆発的な噴火になりやすい  溶岩が流れやすい
    

火成岩のつくり(組織)

【斑状組織(火山岩)】急に冷える
  石基(小さな粒)の中に斑晶(大きな結晶)が散らばる
  ○ ・・・・・ ○ ・・・・
  ・・○・・・・・・○・・

【等粒状組織(深成岩)】ゆっくり冷える
  大きな結晶がすきまなく組み合う
  ■■■■■■
  ■■■■■■
    

地震のP波・S波と初期微動

震源 ●───鉛直───○ 震央(地表)

地震計の記録
時刻 ──────────────────────→
      P波到着    S波到着
      ┃←── 初期微動 ──→┃
      ┃(小さいゆれ)      ┃(大きいゆれ=主要動)
    

地層の柱状図

地表
── A:砂岩(新しい) ← サンゴの化石
── B:泥岩
── C:れき岩(古い) ← 断層がCとBだけを切っている
    

④ 例題

例1

粘り気の強いマグマをもつ火山は、盛り上がった形(ドーム状)となだらかな形のどちらになりやすいか。

例2

地下深くでゆっくり冷えて固まり、大きな結晶がすきまなく並んだ組織をもつ岩石を何というか。

例3

P波とS波のうち、地震発生後に先に観測地点へ届くのはどちらか。

例4

乱れていない地層で、上下2つの層のうち古いのはどちらか。

⑤ 基本問題

1

【小学校の復習】下の表は、ある地点の月ごとの平均気温の一部を示している。表を見て、8月の気温は何℃か。

6月7月8月
気温(℃)222629
2

【小学校の復習】観察をするとき、気づいたことをどのように記録するのがよいか、正しいものを選びなさい。

3

マグマが地表に噴き出す現象を何というか。

4

火山岩に見られる、大きな結晶(斑晶)と小さな粒(石基)からなる組織を何というか。

5

深成岩の例を一つ答えなさい。

6

震源の真上の地表の地点を何というか。

7

初期微動を起こす波はP波・S波のどちらか。

8

地層が堆積した年代を知る手がかりになる化石を何というか。

⑥ 標準問題

9

マグマの粘り気の違いによって、火山の形と噴火のようすがどのように変わるかを説明しなさい。

粘り気が強い→盛り上がった形・爆発的、粘り気が弱い→なだらかな形・溶岩が流れやすい、の対比で書く

10

ある地点で、P波が10時02分15秒、S波が10時02分27秒に届いた。この地点の初期微動継続時間は何秒か。

11

乱れていない地層が下から順にれき岩・泥岩・砂岩と重なっている。この3つの層を、堆積した順(古い方から)に並べなさい。

12

ある地層からサンゴの化石が見つかった。この化石は何を推定する手がかりになるか、化石の種類の名称とともに答えなさい。

サンゴは暖かく浅い海に生きる生物で、示相化石の代表例であることに触れる

⑦ 応用・実力テスト形式

【地震の記録】初期微動継続時間と震源距離は比例する
観測点X:初期微動継続時間 8秒 → 震源距離 64 km
観測点Y:初期微動継続時間 5秒 → 震源距離 ? km

【岩石の観察】ある岩石をルーペで観察すると、大きな鉱物の結晶がすきまなく組み合っていた。
    
13

上の表から、観測点Yの震源距離は何kmか。比例の関係を使って求めなさい。

64kmは8秒分なので、1秒あたりの距離を求めてから5倍する

答え(km):

14

観察した岩石は、大きな鉱物の結晶がすきまなく組み合った組織をもっていた。この岩石は火山岩・深成岩のどちらと考えられるか。また、その根拠を「冷え方」の語を用いて説明しなさい。

大きな結晶がそろっているのは、地下深くでゆっくり冷えたためであることに触れる

15

3地点A・B・Cで同じ特徴をもつ層(かぎ層)が見つかった。かぎ層とはどのような地層か、 「広い範囲」「同じ時期」の語を用いて説明しなさい。

広い範囲に同じ時期に堆積した特徴的な層で、離れた地点の地層を比較する目印になることに触れる

16

地層Pにはアンモナイトの化石が、地層Qにはサンゴの化石が含まれていた。地層Pと地層Qで、 それぞれ何を推定できるかを、化石の種類の名称(示準化石・示相化石)を用いて答えなさい。

地層Pは年代(アンモナイト=示準化石)、地層Qは環境(サンゴ=示相化石)と対応させる

【柱状図】ある崖で観察された地層(下から上へ積み重なった順)
層1(最下) れき岩の層
層2           砂岩の層
層3           泥岩の層(サンゴの化石を含む)
層4(最上)  凝灰岩の層
    
17

上の柱状図について、(1)〜(3)に答えなさい。

(1) 層1から層3にかけて、堆積した粒の大きさはれき→砂→泥の順に小さくなっている。この変化から、 堆積した当時の水深はどのように変化したと考えられるか。

粒が大きいほど河口や陸地に近い浅い場所に、粒が小さいほど河口から離れた深い場所に積もりやすいことに触れ、水深は深くなっていったと結論づける

(2) 層4の凝灰岩の層が示す、堆積当時に起きた出来事は何か。

(3) 粒の大きさから分かる水深の変化((1)の答え)と、層3のサンゴの化石から分かる当時の気候をあわせて、 層3が堆積した当時の環境を40〜60字でまとめなさい。

サンゴは暖かい浅い海に生息する示相化石であることから、水深は少しずつ深くなる途中でも、気候は暖かかったと考えられる、という趣旨。粒の大きさ(深さ)とサンゴ(気候)は別の軸の情報であることに触れる

作問定規

⑦は定期テスト後半相当(複合・記述)。外部は物差しのみ。

【地震の観測記録】3つの観測点A・B・Cで同じ地震を観測した(初期微動継続時間8秒で震源距離64kmとする)
観測点        初期微動継続時間(秒)
A                    4
B                    8
C                   12
    
18

上の観測記録について、(1)〜(3)に答えなさい。

(1) 観測点Aの震源からの距離は何kmか。比例の関係を使って求めなさい。

(2) 観測点Cの震源からの距離は何kmか。

(3) 観測点A・B・Cのように離れた3つの観測点で震源距離が分かったとき、震央(震源の真上の地表の地点)を 地図上で決める方法を、「円」の語を用いて説明しなさい。

各観測点を中心に、その観測点で求めた震源距離を半径とする円を地図上に描き、3つの円がすべて交わる点が震央になる、という趣旨

⑧ 確認テスト

制限時間:20分 / 満点:100点(各20点×5問)

1

マグマの粘り気が弱い火山の傾斜は、なだらか・急のどちらになりやすいか。

2

大きな結晶がすきまなく組み合う等粒状組織をもつ岩石は、火山岩・深成岩のどちらか。

3

初期微動継続時間はどのように求めるか、式で答えなさい。

4

震源の真上の地表の地点を何というか。

5

地層が堆積した当時の環境を知る手がかりになる化石を何というか。

⑨ 完全解説

問題編の解答・解説は解説編を参照してください。

地震・地層の問題は、観察できた事実(到着時刻・粒の大きさ・化石)と、そこから導く推定を、はっきり分けて答える習慣をつけましょう。

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